この記事ではキングダムの最新話 834話「韓軍の士気」の内容を
自分の感想を入れながら解説しています。
単行本派、アニメ派、映画派の方はネタバレになってしまうのでご注意ください。
泣き崩れる新鄭の民
今週号のスタートは、東砂平原で敗れた韓軍が新鄭の城門を通過するシーンからでしたが、
兵達の腰の曲がりぐわいだけですでに洛亜完軍の士気が低いことがうかがえます。
さらにそこに英呈平原、東砂平原の戦いで戦死した兵達が運ばれてきました。
頭を斬られた者や、腕を切り落とされた者、槍で胴体を貫かれた者と、
最近のキングダムでは久々のグロシーンになっています。
833話で寧姫が見た夢といい、最近キングダムにおいてグロシーンは増加傾向にあるようです。
新鄭の広場いっぱいに並べられた死体を前に、死んだ兵の家族だけでなく、
王族である寧姫も大粒の涙を流していました。
そして新鄭の若い衛兵は、この後自分たちもこのような目に遭うことを悟って、
弱音を吐き始めます。
もし5才以上の住人が強制徴兵令でかり出され、新鄭で戦うともなれば
戦慣れしていない人たちはとてつもない恐怖を感じてしまうでしょう。
(強制徴兵令については833話に書いてあります)
夏候龍による万歳コール
新鄭のみんなが悲しみのムードに包まれている中、
夏候龍がただ一人で広場の中央に行き、叫び始めました。
その内容は、洛亜完軍と博王谷軍の兵達は命を散らして戦ったのだから、
次は我々が韓の最後の砦となり身を捧げろというものでした。
そして夏候龍が「韓国万歳!」と叫ぶと、老兵達が他の若い兵達にも無理矢理
叫ぶことを強要し、最終的には軍の全ての人間が「韓国万歳」と叫びました。
その時若い兵達は涙を流していましたが、
恐らくこれは夏候龍の檄に感極まって泣いているのではなく、
自分たちの本音が言えなくなってしまった状況に対する悲しみの涙なのでしょう。
まあそりゃーどこの国の若い兵達もこんな事態になってしまったら、
こうなるのも無理はないですよね~。
原先生は、戦慣れしている老兵や夏候龍たちと新鄭の住民や若い兵たちの間に、
大きな溝が出来てまとまりが失われていく様子を描きたかったようです。
今後の展開を予想する上で、このシーンは間違いなく重要な描写になるでしょう。
魏国境戦がスタート!
今週号でようやく、ようやく魏と趙の援軍が描かれました。
かなり前から次号予想の記事で、魏と趙の援軍が動くんじゃないかと予想していましたが、
実際に描かれたのはだいぶ遅くなってしまいました。
まずは、韓と魏の国境近くの玉鳳軍が久々の登場。
元々玉鳳軍は韓と魏の国境付近に軍を構えて、魏から韓への援軍を妨げるのが目的でしたね。
805話まで戻って振り返ると、王賁たち主力部隊が黄河から魏領の岸の近づき、
岸で待ち構えている魏軍の意識がそこに傾いた隙に、
先に上陸していた先方隊が魏軍の背後から急襲して難なく上陸していました。
玉鳳軍はその勢いのまま魏の洛紫城をあっという間に落とし、
まさに「電光石火」王賁らしい戦い方を魏に見せつけました。
その後玉鳳軍は洛紫城を拠点に、時折来る魏軍を撃退しながら
魏の動きに目を光らせていました。
そして、834話でついに魏軍が王都大梁より出陣します。
見た感じ戦いの場は洛紫城ではなく、そこから少し離れた平原のようでした。
玉鳳軍5万に対して、魏は凱孟軍6万と呉鳳明軍3万の計9万という構図に。
魏は最初、呉鳳明軍で玉鳳軍の動きを止め、凱孟軍が新鄭の救援に向かうはずでしたが、
凱孟が自分と同じ魏火龍七師の紫伯を討った王賁との対決を望んだので、
凱孟軍で玉鳳軍の動きを止め、呉鳳明軍が新鄭の救援に向かうことになりました。
凱孟はいつも通り自ら前線に立ち、軍師である荀早の指示を仰ぎながら、
つぎつぎに玉鳳兵を刈り取っていきます。
なので開戦序盤は玉鳳軍が全体的に押される展開になってしまいました。
ただ、対する王賁は呉鳳明軍が動いたら自ら七千を率いて足止めすると言い、
あくまで一人も魏軍を通さないという姿勢を貫きました。
一見玉鳳が厳しくも見えますが、玉鳳には王翦軍から来た関常と亜花錦も
スタンバイしているので、長期戦にもつれる可能性も十分にあると思います。
趙国境戦もスタート!
こちらも834話でついに開戦しました。
魏と同じくかつての三晋(さんしん)の一つである趙も韓を救うべく動き出しました。
もちもん秦は楽華軍の蒙恬を出陣させて新鄭への援軍を阻みます。
具体的には、鄴攻めで楊端和が奪った橑陽と桓騎が防衛していた鄴
という大きな城二つの間にある小都市、黃都の一帯に広がって布陣しました。
こちらの戦線では、玉鳳のように動きがあったわけではありませんが、
趙側には、総司令かつ三大天の李牧が信頼している側近の馬南慈、瞬水樹を始め
傅抵やカイネ、馬風慈など趙の主力部隊がそろっています。
しかし当の本人の李牧は、番吾にいたり宜安にいたりと忙しそうな様子。
(805話で番吾から指示を送っていたのは、番吾の戦いの後片付けがあったかもしれません)
以前の記事で李牧まで参戦したらさすがに楽華隊が崩壊するという
考察もしてましたが、その心配はいらないようです。
834話では、楽華軍5万と瞬水樹軍7万が正面からぶつかるシーンからスタート。
瞬水樹は早速最強戦力の馬南慈を右から突入させます。
対する玉鳳も、最強戦力の愛閃を馬南慈にぶつけます。
趙軍はさらに後方にいた傅抵軍1万を前進させましたが、
蒙恬は王賁と同じように5千率いて捕まえると言い、
一人も新鄭に行かせないと意思表示しました。
玉鳳、楽華は大丈夫なのか?
この韓の国境で起こった二つの戦ですが、
玉鳳より楽華のほうが難しい戦局であると言えるでしょう。
敵軍の数自体は計8万と玉鳳軍に比べて1万少ないですが、
橑陽から鄴の間という広い範囲の平原に蓋をしなければならないので、
使える戦術が限られて蒙恬の良さが発揮されにくい戦況になっています。
玉鳳軍は最悪崩れそうになっても洛紫城に戻って立て直す事が出来ますが、
(魏軍が洛紫城をスルーして新鄭に行こうとしたら、
背後から楽に討つことが出来ます)
楽華は後ろに拠点がないので一度でも後退すると背を討たれてしまいます。
ただ新鄭を落とし、信が武功をあげることを考えたら、
王賁も蒙恬も弱音を吐いている暇なんかありません!
咸陽はいつも通り
玉鳳、楽華とセットで、秦の王都咸陽の様子も定期的に描かれています。
咸陽の王宮には、次の二点が伝えられました。
1、玉鳳、楽華がそれぞれ敵軍と交戦に入ったこと
2,魏と趙が10万規模の軍であるということ
特に二つ目の報告に関しては、まだ手放しには喜べない状況で
丞相の昌文君にも少し緊張の色がうかがえました。
そして最後は、大王政が騰と信に思いを託す形になっています。
まあいつも通りの展開でしたね~。
あの王安王が檄を飛ばす?
834話のラストは再び新鄭での一幕。
いよいよ秦軍が中黃道(ちゅうこうどう)まで近づいてきて、文官達はなにも言葉が出ません。
しかし、最近新鄭で浮いてきている夏候龍が新鄭内の士気が上がりきっていない
ことに不満を漏らし始めました。
とは言え、周りの王族たちも「暴力で強制的に従わせておいて、士気などあがるか!」
なんてことは口が裂けても言えない状況。
さらに夏候龍は、合従軍(蕞の戦い)のときに政が蕞の民を檄で奮い立たせて
国を守り抜いたことを引き合いに出して、大王様の覚悟を檄として
城内に響かせれば、新鄭は不落の城から檄をお願いします。
と言い出しました。
王安王の顔からは汗が出ていて困惑している様子。
と言うところで834話が終わりました。
初見のときは、大人しそうと思っていた夏候龍が、
ここ最近で一気に目立ってきました。
連れてきた張宰相もだんだん手に負えなくなっているんじゃないかとも思います。
やはり王がしっかりとした軸を持っていないと、国がピンチになったときに
新鄭みたいになりかねないなあと思いました。
まとめ
魏と趙のメンバーが想像以上に豪華だったので、今後原先生には、もうちょっと
玉鳳vs呉鳳明と凱孟、楽華vs馬南慈と瞬水樹のところを多めに書いて欲しいところです。
今週号は特に色々場面が変わって気になる点も多かったので、
これらを元に835話についてもこれから考察していきます。
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